君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「修斗、早く」


「そんなに急がなくても間に合うだろ」


「だって、バス停まで10分はかかるよ」


「里穂の足で歩くとだろ?」


9月の最終日曜日。


U-18県代表と、U-18イタリア代表の試合が行われる日がやってきた。


今日はスタジアムがある駅集合。


私と修斗はバスに乗って最寄りの駅に行き、そこから電車でスタジアムのある駅に向かう。


あいにく今日は、私の親も修斗の親もいない。


私の親は、廉のサッカーの試合を見に行った。


修斗の親は、隼斗君のバレーの試合に出かけた。


だから送って行ってくれる人が居なくて、二人でバスと電車に乗ってスタジアムに行く。


「私そんなに歩くの遅くないよ」


「はいはい。行くぞ」


「うん」