君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「えっ?ほんとにどこ?」


見つからない焦りで、頭が混乱してきた。


やだ、もう。


なんか、泣きそう。


「おい、里穂」


「へっ?」


「なにまぬけな声出してんだよ」


「修斗~」


いつの間にか、自転車に乗った修斗が私の傍に居た。


修斗は学校まで、自転車で行く。


「てか、何泣きそうになってんだよ」


「iPod知らない?ピンクのやつ」


「知るかよ、そんなもん」


「だって、ないの」


俺に聞くなよって顔で、修斗が私を見た。