見たくないよね。


自分が試合出来ないのに、他の人が楽しそうにやってるところなんて見たくないね。


私、修斗の気持ち考えずに言っちゃった。


ダメだな、私。


「やっぱり、行かないよね」


修斗に言ってしまった言葉に、私はうつむくしかなかった。


頭の上で、修斗のため息が聞こえる。


「里穂」


名前を呼ばれたと同時に、修斗の大きな手が頭の上に。


「行くよ」


「いいの?」


私はハッと顔を上げた。


「怪我してるっていっても、俺も部員だからな」


そう言って、私の髪をくしゃくしゃする。


「もう、やめてよ。ぐちゃぐちゃになっちゃう」