君の隣~サッカーボールを追いかけて~

手首を掴まれたまま、外に出た。


「痛いってば!」


私の大きな声に修斗の足が止まり、周りに居た人が何事かとこっちを向いた。


「なに怒ってんの?私、何かした?」


「別に」


「別にって、絶対怒ってるじゃん」


「だから別に、怒ってるなんて言ってないだろ!」


しばらく修斗と睨み合った。


「意味わかんない。じゃあなんでそんなに機嫌悪いの?」


「だから・・・」


「もういいよ。また別にって言うんでしょ?一人で帰る」


そう言って、修斗に背を向けた。


意味わかんない。


なんで急にそんなに機嫌悪くなるのよ。


理由も教えてくれないし。