「どうせ同じとこ帰るんだし。その辺で座ってろ」


「うん」


「終わったら行くから」


そう言うと修斗は、私の髪をくしゃくしゃってした。


「先に帰ったらヤダよ?」


「誰がそんなことするかよ。俺が今まで先に帰ったことあるか?」


「ない」


「だろ?」


そう言って修斗は、自慢げに笑った。


「帰ろうって言って、帰ってくれなかったことはいっぱいあるけどね」


「なんか言ったか?」


修斗がジロっと私を睨む。


「別に~じゃあ、待ってるね」


「ああ」


私は陽介と呼ばれた男の子にペコって頭を下げて、近くの長椅子に座った。