「ボーッと突っ立ってんのが悪い」


「ボーっとなんてしてないもん。お父さん捜してただけ」


修斗はジャージ姿だった。


「おじさんなら、すぐ戻ってくるって」


「よかった。見つからなかったら、どうしようかと思った」


ホッと息をついた。


「修斗は何してるの?」


「何してるって、リハビリ」


修斗から当たり前の答えが返ってきた。


「そうじゃなくって。今」


「おじさんが帰ってくるまで休憩」


「ふーん」


私たちが話してる横を、いろんな人が通り過ぎる。


「修斗」


急に修斗の名前が呼ばれて、私たちは声のした方を振り返った。