見た目はお嬢様の綾香だけど、性格は全然お嬢様じゃない。


勉強も運動も出来るし、フルートもかなりの実力者。


「里穂よくピィ~っていわせてたじゃん。クラに」


「そうだけどさ」


クラって、クラリネットのこと。


吹奏楽では、主に主旋律を吹いてる。


吹奏楽では、欠かせない楽器。


どんな楽器かって言うと、ほんとにものすごーく簡単にいえば大きなリコーダーって感じかな。


私はあんまり上手くなかったから、高音を出すたびにピィ~とか変な音を出してたわけ。


「あーもう。修斗のやつ、ムカつく!」


「それでも好きなんでしょ?」


サラっと綾香が、好きという言葉を出した。


「うん」


私は、小さくうなずいた。


「近くに居たくて、マネージャーなったんでしょ?」