君の隣~サッカーボールを追いかけて~

暑いからさ。


マネージャーっていっても、大変なんだよ。


汗いっぱいかくし。


「俺はさ」


「ん?」


「部活が出来るお前が、羨ましいよ」


修斗が靴箱からスリッパを取り出しながら呟いた。


「修斗・・・」


そう、だよね。


修斗は、出来ないんだもんね。


少しだけ見えた修斗の寂しそうな顔が、頭に残った。


「里穂、おいてくぞ」


「あっ待ってよ」


急いで靴を履き替えて、階段の傍まで歩いていた修斗に追いつく。


「早いよ」