君の隣~サッカーボールを追いかけて~

チャイムを押すと、おばさんが出て来た。


私たちを見て一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに家に上げてくれた。


2階にある修斗の部屋に向かう。


「修斗・・・」


部屋のドアを、トントンと軽く叩く。


「私だけど、入っていい?」


中からはこの前と同じく、「ああ」と短い返事がした。


私はドキドキする心臓を押さえて、部屋のドアを開けた。


「修斗あのね、翼部長と沙穂先輩と、優実ちゃんも一緒なの」


ぞろぞろと部屋に入って行く私たちを見て、修斗が目を見開いた。


修斗は相変わらず、ベットの上に座っている。


ベットの上には、小さい子が遊ぶような柔らかい布で出来たサッカーボール。


部屋の隅には、本物のサッカーボールが転がっていた。


「久しぶりだな、修斗」


最初に口を開いたのは、翼部長。