君の隣~サッカーボールを追いかけて~

いつも見ている修斗の家。


白い壁に、茶色い屋根。


今までなら気軽にチャイムを押して、家の中に入って行った。


でも今日は、足が進まない。


修斗に会いたくない。


この前、喧嘩したから。


私が怒らせたから。


「里穂ちゃん?」


家の前で固まっている私に、沙穂先輩が不思議そうな声で私の名前を呼んだ。


「あの、ごめんなさい。私、帰ります」


修斗に会うのが怖い。


きっとまだ、修斗は怒ってる。


私は3人に背を向けた。


「どうしたの?修斗君と何かあったの?」


沙穂先輩が、私に優しく聞いた。