「だから少しだけ見守ってあげて。修斗は、途中で物事を投げだすような子じゃないから」


「そうだよね」


「そうよ。なんてたって、おばさんが育てた子ですからね。何事も最後まで諦めないようにって、育てたつもりだから」


そう言っておばさんは、私にニッコリ笑った。


それにつられて、私も笑う。


「まったく修斗は。里穂ちゃん泣かすなんて最低ね。あとでおばさんが、しっかり叱っとくからね」


「ありがと、おばさん。おばさん、いい匂いする」


おばさんに抱きついたまま、スーっと息を吸う。


「クッキー焼いたの。里穂ちゃんにも分けてあげるね」


「うん!」


おばさんから綺麗にラッピングされたクッキーをもらい、外に出て修斗の部屋を見上げる。


修斗、私は信じてるよ。


もう一度、頑張ってくれるって。


信じるから。


修斗のボールを蹴ってる姿が、また見られることを。