泣いてる私を見て、おばさんは眉をひそめた。


「どうしたの?修斗に何か言われたの?」


「うんん」


私は首を、思いっきり横に振った。


「でも、修斗怒らせちゃった」


「里穂ちゃん・・・」


「どうしよ。修斗がサッカーやめるって言ったら・・・」


「大丈夫よ」


私の身体は、おばさんの甘い匂いに包まれた。


「大丈夫。何があったか知らないけど、修斗は怒ってないわよ」


私の背中をさすりながら、おばさんは優しい声で私にそう言う。


「あの子も今、混乱してると思うの。こんな大怪我初めてだから」


「うん」


「きっと自分で、どの選択が一番正しいか見つけるわ」


「うん」