君の隣~サッカーボールを追いかけて~

修斗が叫ぶ。


その声から逃げるように、私は修斗の部屋を出て来た。


目の前が涙で滲む。


「やだ。何で・・・」


何で泣いているんだろう?


修斗に叫ばれたから?


うんん、違う。


修斗に私の気持ちが伝わらなかった。


私の言葉では、修斗の気持ちを動かすことが出来なかった。


もしかしたら私は、修斗に余計なことを言っちゃたの?


わかったようなことを言って、修斗を怒らせた。


「あら、里穂ちゃん。もういいの?」


階段をバタバタと下りていたら、おばさんが台所から顔を出した。


「おばさん・・・」


「里穂ちゃん?」