君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「手術して、完璧に治る保障がどこにある?医者だって言ってた。今までのようなプレーは出来なくなるって。だったら、手術する必要があるのか?」


「修斗・・・」


「俺だってわかってんだよ」


「だったら・・・」


「悪いけど、出てってくれ」


「修斗・・・」


このとき初めて、修斗に怖さを感じた。


私を睨みつける目。


怒りというより、冷たい。


夏で暑いはずなのに、修斗からは冷たい空気が伝わってくる。


誰も近づけない、そんなオーラを放ってる。


修斗に睨まれて、私は動けないでいた。


「出てけよ」


ピーンと張りつめた部屋の空気に、修斗の低い声だけが響き渡る。


「出てけって言ってんだろ!」