君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「私は、修斗にサッカーもっとやってほしい。修斗のボール蹴る姿、好きだから」


私が話し出したのに、修斗は雑誌から目を離してくれない。


「ずっと修斗のサッカーやってる姿見てきたから。これで終わりなんて、もったいないよ」


それでも修斗に聞いてほしかったから、私は話すのをやめなかった。


「諦めるの?手術したら、また出来るようになるんだよ。修斗、サッカー好きでしょ?こんなに早く、諦めていいの?」


「・・・」


「ねえ、修斗!」


最後は、声が大きくなってしまった。


パタンと、修斗が雑誌を閉じた。


ゆっくり私の方を見る。


「里穂に、何がわかる?」


修斗の目は、冷たかった。


冷やかに、私を見てる。


「里穂に、何がわかるんだよ」


声も冷たい。