そのことが、修斗がなかなか手術に踏み出せない理由なのかもしれない。


「あら、里穂ちゃん」


修斗のことが気になって修斗の家を訪ねて行くと、玄関先でおばさんが花の水やりをしていた。


「修斗、居ますか?」


「部屋に居るわよ。上がって」


おばさんは笑顔でそう言ってくれた。


「おじゃまします」


おばさんにそう言うと、玄関のドアを開ける。


修斗の部屋は2階。


私は慣れた足取りで、階段を上った。


「修斗、入るよ」


修斗の部屋のドアを、軽くノックする。


中から、「ああ」と言う短い返事が聞こえた。


静かにドアを開けると、ベットの上で雑誌に目を通している修斗が見えた。


「なんか用か?」