「ほら~息ぴったり。付き合っちゃいなよ、二人とも」


「沙穂さん、やめてください。だいたい、俺が里穂を相手にするわけないじゃないですか」


「それはこっちのセリフ」


「はい、そこまで。沙穂も二人をからかわない」


「は~い」


沙穂先輩が、しょんぼりうつむいた。


実は、翼部長と沙穂先輩は付き合ってる。


私たちと同じ、幼なじみなんだって。


ちょっと羨ましい。


二人を見てると、ほんとに仲がいいんだな~って思うし。


それに比べて私たちは、言い合いばっか。


修斗が私のことどう思ってるかは、別にして。


私がもう少し素直になれたら、この関係も少しは進歩するのかなって思う。


「修斗、パス練するぞ」


「はい」