君の隣~サッカーボールを追いかけて~

洗濯をしていた私に、修斗が声をかけて来た。


「そこ座って」


私は近くにあった長椅子に修斗を座らせた。


修斗からテーピングの白いテープを受け取る。


「私じゃなくて、田中先生にやってもらえばいいのに」


「今、山田先生と会議中」


「そっか」


私はきつくなり過ぎない程度に、テープを修斗の右膝に巻いていく。


テーピングのやり方は、お父さんとお母さんに教えてもらった。


マネージャーをやるのに、覚えておいて損はないかなって思って。


「怪我、ひどいの?」


「スパイクで膝を踏まれたからな」


修斗は顔色ひとつ変えずにそう言った。


「えっ?それって、大丈夫じゃないじゃん」


私はびっくりした。