君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「はぁ~」


周りは喜ぶ声でいっぱいだったけど、私はなぜかとても疲れた70分だった。


最後は防戦一方だし。


修斗は怪我するし。


グランドの中には笑顔の修斗。


「大丈夫だよね・・・」


少しだけ足を引きずってるように見えなくもないけど。


でもあれだけ動いてたし。


きっと大丈夫だったんだ。


「里穂ちゃん、行くよ」


「はい」


沙穂先輩に呼ばれて、スタンドをあとにする。


その夜。


「里穂、テーピングしてくれるか?」


「あっうん」