前半早々、痛い失点。


相手の応援団は、かなり盛り上がってる。


「まだまだ。これからですよ」


優実ちゃんが自分に気合いを入れるように言った。


「そうだね」


まだ試合は始まったばかり。


そのうち、相手の攻撃にも慣れて来たのかうちのチームも動けるように。


「修斗、行け!」


修斗がボールを持つたびに、叫んでしまう。


「翼!」


それは沙穂先輩も一緒のこと。


「きゃあ」


修斗がドリブルで仕掛けたところを、相手のディフェンスに潰される。


相手のチームも、こっちのチームの誰を潰せば攻撃が出来ないか頭に入ってるみたいで、修斗がなかなか前を向かせてもらえない。


そんなか手に入れたフリーキックのチャンス。