ムカつく~


「修斗がいけないんじゃん。急に投げるからでしょ」


「俺はちゃんと言ったから」


「はっ?」


「里穂って呼んだじゃん」


「投げるとは言ってないでしょ!」


「キャッチ出来ない方がおかしいだろ」


そう言うと、修斗はリフティングを始めた。


空中に浮いた球を落とすことなく、何回も続ける。


「だいたい、鈍い里穂がマネージャーやってることじたいおかしいし」


「なっ・・・マネージャーに、運動神経は関係ないじゃん」


「音楽室でピィ~とか音出してた方がよかったんじゃない?」


すっと高く上がったボールを、右足の裏でキッチリ止めた。


「うるさいな。私が何しようと、修斗には関係ないし」


それだけ言うと、私は落ちたボトルを拾ってドスドスと歩きだした。