君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「自分のやるスポーツ以外、興味がないのよあの子」


「でもいいじゃないですか。こうやって見に来てくれるし」


「ほんとはね、私一人だとつまらないから引っ張ってきたのよ」


おばさんが私の耳元で、こそっと言った。


「このあと二人でおいしいもの食べに行こうって」


「そうなんだ~」


「修斗には内緒よ。頑張ってる人抜きで、ご飯食べに行っちゃうんだから」


「はーい」


「でもまあ、逆転して優勝したら今日はご馳走作んないと」


「いいな。家は今日、お母さん夜勤だから」


「そうなの?」


「もしかしたら、私がご飯作んないといけないかも」


「里穂ちゃんは偉いわね~修斗と隼斗なんて、一切手伝いしないから」


「廉だってそうですよ。私が一生懸命ご飯の用意してるのに、何にも手伝ってくれないし」


そんな話しをおばさんとしてると、あっという間にハーフタイムが終わってしまった。