君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「前半半分までは、いい試合してたのに」


「そうよね~徐々に相手ペースになっちゃったわね」


沙穂先輩と優実ちゃんが、そんな会話をしてる。


グランドに目を移すと、翼部長が修斗の肩をポンと叩いてた。


「修斗・・・」


最後の失点シーン。


修斗のミスから始まった。


きっと誰よりも悔しいと思う。


サッカーに関しては、人一倍責任感が強いから。


「兄ちゃん、何やってんだよ」


そう言って、隼斗君が立ち上がった。


「母さん、喉乾いた」


おばさんからお金をもらうと、隼斗君はジュースを買いにどこかに行ってしまった。


「まったく隼斗は」


「隼斗君、つまんないみたいですね」