高校総体で優勝して、そのときのキャプテンだったんだって。


「そこ!モタモタするな!」


Bとは反対側で叫んでるのは、顧問の山田先生。


理科の先生で、もうこの学校には20年近くいる。


ずっとサッカー部の顧問で、いろんな大会で優勝に導いてきた。


「里穂ちゃん、水持ってきてくれる?」


「はい」


沙穂先輩に言われて、水の入った水筒をAチームの方に持っていく。


水筒っていっても、かなり大きい。


2リットル入るやつで、ボトルって言った方がいいかも。


「やっぱ無理かも」


練習が始まる前に、10個水を入れたボトルを用意した。


一気に4個運ぼうと、柄の部分を持ったのはいいんだけど・・・


「重い~」


一人でウンウン唸りながら、やっとのことでそれを運んだ。