まただ。また勝手に暴走した。
これは、夢の為の演技……だったはずなのに……



小さい頃からの夢を叶えるための……



全部演技だったはずなのに……



シナリオを自分で考えて、書いたシナリオ通りのはずなのに……



兄貴の名前なんか呼ぶな!



そう思ってしまう。兄貴の名前を借り、演技の幅を広げようとしただけ……



そう思えば良いはずなのに……



あいつが必死になるから……



こんな卑怯な俺なんかの為に……



あいつが笑うから……



あいつが……



携帯なんて拾うんじゃなかった。



あいつの……



ピンク色の携帯なんて……



拾わなければ、あいつは俺に惚れるなんて事はなかった。



だけど、出逢わなければ良かったなんて思わないぜ?



いつの間にか俺は……