きみのて

研修旅行の当日、わたしはケンちゃんと学校へ来ていた。

講堂の入り口で、部屋割りを含む予定表が配られた。


部屋割りを見て固まった。

例のエクステの彼女と、2人部屋だ!


「お前の部屋やばくね?あのこわそうな人とでしょ?」


ケンちゃんが、笑いを含ませながら聞く。


同じクラスのケンちゃんこと高木健も、同じ地元から大学へ通う友達だった。

これまで特に親しくしていたわけではないが、悪い噂のない人だった。


「・・・ケンちゃんもそう思う?こわそうだよね?」

「いやー、意外にいい人かもよー?」

「全然思ってないでしょ?」