きみのて

葵はデートの時、わたしに何を食べたいかなんて聞いた事がなかった。

いつでも自分の行きたい店に入り、食べたいものを食べに連れて行ってくれた。

わたしはただ葵について歩くことがほとんどだった。
そのことに、疑問や不満を抱いた事はなかった。

そもそも、葵のその強引な性格のお陰で、わたし達は付き合うことになったのだ。

何日もかけた強引な告白に押し切られ、当時既に彼氏がいたのにもかかわらず、OKしてしまった。

付き合っていた彼にすぐ別れを切り出せず、タイミングを窺っているうちに二股状態であることが彼にバレ、周りからは非難されたが、葵は全く気に留めていなかった。