「栞、どこ行くの?」

「今この時間、高橋君が隣の教室で授業なんだよね。」

「高橋君ってあんたの王子様?美加も見に行くっ」


あれ以来、わたしは高橋君のストーカーをしていた。

同じサークルとはいえ、学科も違い、なかなか近付くチャンスが持てなかった。


「あの真ん中へんにいるのが高橋君だよっ」

「今こっち見た人?ふーん。好青年って感じ?」

「今日サークルコンパなんだよね…アピールしてくるわっ」

「がんばっち!」


高橋君に出会ってから、服装や化粧にも自然と気合いが入った。

彼を逃してはいけない。

そんな気がわたしを動かしていた。