高橋君はまだ肌寒いのに半袖だった。 筋肉質な腕が見えていた。 わたしは高橋君に声をかけた。 「高橋君…寒くない!?」 「めっちゃ寒い!」 高橋君は、人懐っこい笑顔で応えた。 わたしの周りの空気が、はっきり変化していくのがわかった。 これがわたしと高橋陸との出会いだった。