ステージの上からは客席側が暗くて、誰の顔も見えなかった。

わたしは口を開いた。

「最後の曲は、友達のために作った曲です。
病気の友達が居て、その友達のために、わたしは何もできなくて、何も言えなくて、だけど自分の気持ちを残したくて作りました。
聴いてください。『ここ』。」