夜、ギターを練習していると、母が部屋に入ってきた。


「栞、さつきちゃん、一時退院したみたいだよ。」

「本当!?」


母からそのことを聞いて、いてもたってもいられなくなったわたしは、さっちゃんの自宅に電話した。

さっちゃんのお母さんが出て、電話をまわしてくれた。


「もしもし。」

「さっちゃん?栞だよ!退院したんだね!おめでとう!」

「うん、まだ一時退院だけどね・・・。手紙ありがとう。すっごくうれしかった・・・。」

「さっちゃん・・・?」

「ごめんね。栞ちゃんの声聞いたらうれしくて。入院中も、会いたかったんだ。」


涙声のさっちゃんの言葉に、わたしもなみだがこぼれた。