私は、裕から離れ違う席に移動した。次の瞬間ドアが開き、たくさんの乗客が一斉に入って来た。



しかも、オッサン達ばかり。



最悪かも。汗臭い!汚い!タバコ臭い!


「っ……」



触んな!



誰かが、私のお尻を触った感触がした。ビキニの間から、手を入れお尻を直に撫で回す。



っ……



こういう時に限って声は出ない。
それが、無性にムカついた。



裕斗の、せいだ。こんな罰ゲーム受けなきゃ良かった。
そしたら、オッサンに触られなくて済んだのに。



「何すんだ!君!」



「オッサン、静留ちゃん嫌がってんじゃん、分かる?こんな汚い手で触られたくないの分かる?」



え?……裕?なんで?



裕は、笑っているものの目は、全く笑ってない。オッサンの手をこれでもかと言うぐらい、握りつぶしている。



歪んだ表情のオッサンは、少しグッタリしている。



「静留ちゃん、待っててね?今オッサン痛めつけるから」