「……なんで?」
「は……?」
「なんでそんな簡単にいうのっ?」
キッと気合をいれて見上げると、不機嫌そうなレンの端正な顔。
涙で視界は滲んでいたけど、視線を外すわけにはいかなかった。
わたしのこの想いを汲んでくれたのか、壁にもたれかかったいた大きな身体をわたしのベッドまで寄せてきた。
「……お前が、そう望んだのだろう?」
ベッドに腰掛けて、わたしの顔を覗き込んでくる。
そう、あたしは翔くんに振り向いてほしくて。
だけど……
「だって、恋心が代償だなんて……」
わたしのこのお願いは、意味を失うことになる。
レンは、なだめるようにわたしをみつめつづけた。
「なにもかもがうまくいくわけがないだろう?
働けば金をもらい、食わなきゃ生きていけない……因果応報なんだよ」
あまりにも人間臭くて、あたしは違和感を感じずに入られなかった。
さっきまであんなに責めるようなことばかり言っていたのに。
そしてなによりも、語尾がとても弱々しかった。
「どうして……『代償』は恋心なの?レンは、それで満足なの?」
小さな疑問。
だけどそれを口にした瞬間、カッとレンの表情がこわばったのを見逃さなかった。
「……うるさい」
「は……?」
「なんでそんな簡単にいうのっ?」
キッと気合をいれて見上げると、不機嫌そうなレンの端正な顔。
涙で視界は滲んでいたけど、視線を外すわけにはいかなかった。
わたしのこの想いを汲んでくれたのか、壁にもたれかかったいた大きな身体をわたしのベッドまで寄せてきた。
「……お前が、そう望んだのだろう?」
ベッドに腰掛けて、わたしの顔を覗き込んでくる。
そう、あたしは翔くんに振り向いてほしくて。
だけど……
「だって、恋心が代償だなんて……」
わたしのこのお願いは、意味を失うことになる。
レンは、なだめるようにわたしをみつめつづけた。
「なにもかもがうまくいくわけがないだろう?
働けば金をもらい、食わなきゃ生きていけない……因果応報なんだよ」
あまりにも人間臭くて、あたしは違和感を感じずに入られなかった。
さっきまであんなに責めるようなことばかり言っていたのに。
そしてなによりも、語尾がとても弱々しかった。
「どうして……『代償』は恋心なの?レンは、それで満足なの?」
小さな疑問。
だけどそれを口にした瞬間、カッとレンの表情がこわばったのを見逃さなかった。
「……うるさい」


