いずこからか 光が 降り来たり 小象は 鼻を ふりたてて うでを さかんに ふり回す。 それは こう 叫んでいるのだろう ≪われこそは おかねのもと! われこそは 富! われこそは 力! ひとに 売らせる 力なり! ひれふせ! 貧乏人よ! われに 膝まづけ!≫ 「へへーっ!」 男は ひれ伏します。 力の抜けた腕のせいで まるで つぶれた 蟇(ひき)のよう…