「…ふぅー、なんとか出られた…。

魔法、習ってて良かったぁ。

けど…バレて…ないよね?」

今のマリアの姿は肩までつくかどうかまでの栗色の髪の毛に
エメラルドグリーンの色の瞳。

…やっぱりまだこれくらいしか出来ないか。
…早くアリス姉様みたいに
すごい魔法が使えたらなぁ…

あれは…ヤバい!
アイツは城の警備の者だ!


「ハァー…マリア様は一体、何処に
行かれたのか…。
王様とお妃様の話だと
城の外だとおっしゃっておられたが…

ふわふわロングヘアーの金髪で目が青い子なんて
天界でも珍しいからすぐに見つかるのだが…あ、そこの君!」

ビクンッ

「な…なにかしら」

「君くらいの年で金髪で目が青い子見なかったかい?」

ドキドキ……

「…い、いえ。見てませんわ…。」

「…そうか、すまなかったね;あ、お礼にこれをあげよう」

そういうと城の使いの男は金貨を3枚差し出した。


「…お礼なんてもらうほどの事なんてしてませんわ。」

…金貨なんてもう財布に入らないし、
正直いらない……。

「君…綺麗な言葉を話すな。
…まさかマリア様が変身しているんじゃないだろうな…?

なんとなく顔も似てる気がするし…。」

「違います、
私、そんなに王女様程可愛くないし、全然似てませんわ。

それに私の名前は

…リジー!
リジ―・メンシ―よ。
マリア様のわけありませんわ!」

とっさに思いついた嘘を言った。

「そっかすまなかったね、リジー」

「いえ…
わかってくれたなら私はこれで…。」

「待ちたまえ。
これはほんのお礼だ」

「い、いいですいりません!」


「いいから、はい。子供が遠慮してはいけないよ。それじゃあ気をつけてね。」