「……なぁ、桜野」
「ん?」
「なんか、ありがとうな」
「はぁ? どうしたのいきなり?」
「……あんま気にすんな」
「気にするよ!」
今のは、ポロってこぼれたんだよ、口からさ。
「おぉ、悠、桜野、おはよ!」
「おはよ」
「おはよー!」
あの日俺は、子供心に、もう普通の生活なんて送れないんじゃないかって思ってた。
「お姉ちゃん」って存在から逃げられなくて、一生女の人を怖がって……
そんな非日常を過ごして行くんじゃないかと思ってた。
でも、実際は全然普通だった。
女子は苦手でも、拒絶するほどではないし……1人だけど大切な女友達もいる。
姉貴が留学中っていうのも、大きいとは思うけど。
とにかく俺の日常は、至る所にあるごく普通で。
「桜野ー! 日直やれー」
「はーい、すいませーん!!」
「ほんと、相変わらずだなぁ」
「あれが桜野だからな!」
それが、すっごい、幸せだ。
「ん?」
「なんか、ありがとうな」
「はぁ? どうしたのいきなり?」
「……あんま気にすんな」
「気にするよ!」
今のは、ポロってこぼれたんだよ、口からさ。
「おぉ、悠、桜野、おはよ!」
「おはよ」
「おはよー!」
あの日俺は、子供心に、もう普通の生活なんて送れないんじゃないかって思ってた。
「お姉ちゃん」って存在から逃げられなくて、一生女の人を怖がって……
そんな非日常を過ごして行くんじゃないかと思ってた。
でも、実際は全然普通だった。
女子は苦手でも、拒絶するほどではないし……1人だけど大切な女友達もいる。
姉貴が留学中っていうのも、大きいとは思うけど。
とにかく俺の日常は、至る所にあるごく普通で。
「桜野ー! 日直やれー」
「はーい、すいませーん!!」
「ほんと、相変わらずだなぁ」
「あれが桜野だからな!」
それが、すっごい、幸せだ。


