麻衣と知り合って1年以上たつけど、プライベートのことはほとんど知らない。


私も聞かないし、麻衣も聞いてこなかった。


誰だってあまり聞かれたくないことはある。


お互いそう思っていたから、仲良くなったのかもしれない。



「久しぶりに飲みましょうよ!」


思いついたようにそう言うと麻衣は部屋を出て行き、お酒とお菓子を沢山抱えて戻って来た。


「里緒菜さん、ワイン好きでしょ?」


そう言って私にワインを手渡す。


「えぇ!?いいの?こんな、いいワイン飲んじゃって!?」

「いいんです。どうせ誰も飲まないし…。いっぱいあるからじゃんじゃん飲んでくださいよ!」


一瞬寂しそうな顔をしたけど、すぐにいつもの麻衣に戻って、テーブルにお菓子を広げた。



私達は楽しく喋りながらワインを飲んだ。



と言っても、麻衣はお酒が弱く、3杯飲んで寝てしまった。


私はそれからテレビを見ながら飲んでいたけれど、久しぶりのお酒に酔ったのか睡魔に襲われた。


トイレに行ってから寝ようと思い立ち上がると、足元がフラフラしている。



そして部屋を出て、知らない間に記憶が途絶えた。