全てがキミだった



「平田くん!!」


頭の痛みが少し和らいだ頃、わたしは廊下を歩く公平の背中を見つけた。


殆どの生徒が帰宅している廊下は、とても静かだった。


その静かな廊下に、わたしの大声が壁という壁に反射して響き渡る。


ふいに名前を呼べれた公平は、少し驚いた様子でくるりと振り向いた。


直接顔を見ることが出来なくて、公平の胸元あたりを見る。




「あぁ、もう平気なの?」


今思えば、この時が初めての会話だった。


「あ……うん」

「そっか。
ならよかった」

「あ、あの……
ありがと。その、保健室まで運んでくれて。
香織から聞いた」