「何言ってんの、違うよ。 田中先生じゃなくて、平田くんだよ」 『平田』とは、公平の名字だ。 「亜美が倒れた時に、誰よりも先に亜美を助けてくれたんだよ」 その言葉を聞いた瞬間に、心臓がドクンと大きく脈打った。 憧れて陰から見ていた彼が、真っ先にわたしを助けてくれた。 その時の記憶なんて何一つないけれど、体中がじんわりと熱を持ち始めた。