「素人が同じ髪型に切れるわけないじゃん」
「大丈夫だよ。
おまえなら」
この人は、何を根拠にそんな事を言っているのだろう。
「いいじゃん。
思い出に出来るし」
「思い出?」
「そう。
大人になって、いつか青春時代を思い出すんだよ。
俺はおっさんになって、おまえはおばさんになったとき」
「わたし、おばさんにはならないよ」
「おまえはピーターパンかよ」
わたし達は、一度顔を見合わせた。
公平は言った後に、肩をすくめた。
「あの時こんなんだったなぁって思いだす時に、必ずおまえが俺の記憶の中に出てくる」
「必ず?」
「うん。必ず。
金に困ってた俺は、あの時あいつに髪を切ってもらったなぁって。
それも二回も」


