見事公平の顔面に命中し、ふわふわの公平の髪がしんなりと下に垂れていた。
公平の後ろに植えられていた向日葵もとばっちりを受けて、わたしの放った水滴に顔を濡らされていた。
放課後のプールに、わたし達のふざけて笑う声が響いていた。
すぐに日は落ち、部活動の生徒も家路に付く時刻になっていた。
わたしはそれに気付いていたけれど、もう時間だと言いたくなかった。
こうやって、公平ともっともっと一緒に過ごしていたいと、欲が強くなっていたから。
これはわたしの自惚れかもしれなけれど、きっと、公平も今わたしと同じ事を思っているんじゃないかって思ってしまった。
周りの暗さに気付いていたはずなのに、一言も帰ろうなんて言わなかったから。


