全てがキミだった



前髪の奥にある二重瞼の目が、手のひらの紙に視線を落とすあたしを見ていた。
 

ギュっと胸が締め付けられて、一気に頬の温度が上昇していく。



「開けてみれば?」
 

どこか上目線の公平が、わたしを見下ろしながら口角をあげた。
 

これ以上心臓が五月蝿く鳴らないように、公平の目を見ずに紙を広げてみる。
 

そこには、電話番号とアドレスが記されていた。


「俺の番号。なんでかまだおまえには教えてなかったからさ、今回のご褒美にそれやるよ」

「偉そうに」

「あ、いらねぇの?」
 

公平がひょいとわたしの手のひらから紙を奪おうとする。


「や、やだ、いりますいります」
 

必死にそれを奪い返してスカートのポケットにしまった。
 



本当に眩しかった。