忘れようと思うのだけど、わたしが忘れてしまったら、それこそ完全に終わりだ。 そんな事、わたしには耐えられない。 「綾が帰ってくるまでにはその病気も治ってるだろうと思ってたのに、まだ引きずったままなんて。 いい加減、他を見つけなよ」 わたしは、綾の言葉に何一つ答える事が出来なかった。 わたしの中の公平はあの頃と何一つ変わることなく居続けているのに…… これは病気なのだろうか。 ここまで一人の人を好きで居続けるのは、悪いこと? わからない――…。