そう思う度に、また自分の心に分厚い壁を作る。 未だに耳にしつこい程にへばり付く、あいつの声。 瞼を閉じれば浮かんでくる、あいつの笑顔。 6年も経っておきながら、わたしの中のあいつは、あの時のあの姿のままで、未だにわたしの心をかき乱す。 そして―― あの時のように 散々わたしに期待させておいて すーっとわたしの前から消えていくんだ。