全てがキミだった



「すごい荷物ね」

「お土産買い過ぎた」

「お金は大丈夫なの?」

「平気、ちゃんと貯金はしてあるから」

「さすがね」

「まあね。
あ、よっ、亜美」
 

再会を喜ぶやり取りをしていた綾が、ようやくわたしの存在に気づき、わたしに向かい右手を挙げてきた。
 

綾もまた、わたしの事を『お姉ちゃん』とは呼ばない。
 

荷物を手わけしてリビングに運んだあと、お母さんのむいたリンゴを女四人でペロッとたいらげた。