全てがキミだった

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「ただいまー」
 

玄関で声がしたかと思うと、ドサッと鈍い音がわたし達の耳に入ってきた。
 

リビングでいつものように女三人の時間を過ごしていたわたし達は、一度目を合わせて玄関に向かった。
 

一番に駆けて行ったのは梓だ。


わたしは最後に玄関に向かう。


それも、のっそりと。


「綾姉、おかえり」
 

梓が綾の手荷物を受け取り、わたしには絶対に見せない笑顔を綾に向けた。


「おー、あずぴー、身長伸びたね」
 

梓はへへっと笑う。
 

綾は、相変わらず派手だった。


髪は赤で、付けまつげがわさわさしている。


瞼が重そうだ。