全てがキミだった



「もう働いちゃうの?
 大変だよ?」

「そんなの、いつ就職しようが同じでしょ?
それに、わたし頭悪いから進学は無理だよ。実際、勉強もしてないしさ」
 

わたしの『就職』という言葉を聞いて目を丸めていた香織は、『就職ねー』と言って机に突っ伏した。


「三年生って嫌だね。
進路、進路、進路ってさー」

「香織はどうすんの?」

「あたし?
あたしは、一応大学行くよ」

「大学行くの?」

「これでもとりあえず勉強してんだから」

「ふーん」

「陸がさ、スポーツ推薦を今から狙っててさ、一生懸命頑張ってるんだよね。
だからさ、あたしが先にその大学に行って、マネージャーとして待ってようかなーなんて思ってるんだよね」
 

ちょっと、驚いた。


香織もわたしと一緒で進路についてあまり考えていないのだと思っていたから。