学校に着くと、すぐにアラタに声をかけられた。



「おい」



完全に怒っている。



「はい?」



アラタは自慢の長身で目一杯あたしを見下ろした。



「お前、結局昨日一つも授業出てねぇじゃねぇか。保健室にもいないし、どこ行ってたんだよ」



あー。



それか。



「もうなんか、ホントやる気なくなったから家に帰ってしまいました。ごめんなさい」



アラタはため息をついた。



そりゃそうか。



教師が勝手に帰っちゃマズいよな。



「とりあえず、俺がお前を連れて帰ったって事にしたから。口裏合わせろよ」


「ありがとうございました。徳沢センセ」



アラタは優しく笑ってくれた。