だが、少女はそれ以上にキレた。



「たまにはあたしの言うこと聞けよ!!


お前の事心配してやってんだろ!!


岩佐木はなぁ、もう警察に目付けられてんだよ!!


お前、出入りしててなんでわかんねぇんだ!


バカか!」



少年は少女の剣幕に驚いていた。



「お前…なんで岩佐木組にサツが張ってるって知ってるんだよ」



少女はその理由を言いたくないようだ。



しかし、少年はジッと見つめている。



「わかった、言うよ…」



少女は少年の視線に勝てなかった。



「あたしのオヤジ…警察なんだ」


「マジ…かよ…」



少女はうなずく。



少年は驚いて何も言えない。



「だからさ、ヤクザには関わらないで。あんたはパクられてほしくないんだよ」
















「わかった…」












少年は少女の前からゆっくりと立ち去っていった。