「環!環!!キャミソールを来て居間に来なさい!」


お父さんの突然のノックが、私の目覚ましになった


「な、何で?」


まだ朝の6時半…


朝からキャミソールファッションショー?


寝ぼけまなこをこすり、下に行くとお父さんは上半身裸の巧をチェックしている…


「…な、何?」


お母さんもおろおろしながら隣で見ている


二人の顔が怖いくらい真剣で、私は思わず巧を見つめた


「もしかして…巧、タトゥーでも入れたの…?」


「アホ!!んなわけねーだろ!」


力一杯否定…


じゃあ、何?

……怖い…


「環、おいで!」


お父さんの目が怖くて、逆らうことなく言われた通りにする


お父さんは肩や腕、背中をくまなく見て、安心したようにため息をついてソファに沈んだ


「良かった…」


「何?なんなの?」


お父さんは不安そうな表情で、そのままテレビを見つめた


『遂に日本にも最初の被害者』


と画面の斜め上に載っている


これが、私とクローバーとの、最初の出会いだった